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社会・文化

巧妙化する中国の「土地買収」

自衛隊「重要施設」を狙い撃ち

2012年12月号

 中国最大の建設機械メーカー「三一集団」の向文波総裁が北京で吠えた。「中国企業による海外投資の権益を守るため、法律を武器に戦うべき」「中国企業を色眼鏡で見ており、差別である」―。  米大統領選挙が終盤に入っていた九月二十八日、オバマ大統領はオレゴン州の空軍基地にほど近い地域で風力発電事業(発電所の買収)を進めていた同集団に対し、安全保障の観点から事業の中止を命じた。対米外国投資委員会(CFIUS)の権能に基づき、二週間以内の撤去と、九十日以内の完全撤退を命令したのだ。ホワイトハウスは、風力発電タワーの場所が米空軍施設に隣接し、規制空域と重なるためだと発表した。冒頭の向総裁の発言は、この決定に対して反発したもので、「政治ショー」だとしてオバマ大統領を非難した。米国は「自由の国」に見えて、実はそうではない。

「通信施設」に近づく中国資本

 収まらない三一集団は十月に入り、オバマ大統領とCFIUSを提訴した。単独企業が米国大統領を訴えたのは、史上初めてのことだ。こうした経過を、大統領選を有利にするためのパフォーマンスだと見る向きもあったが、そうと・・・