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経済

《企業研究 》日産自動車

第二「衰退期」の予兆

2012年12月号

 その年の最高の車に与えられる栄誉である「カー・オブ・ザ・イヤー」。今年、日本自動車研究者・ジャーナリスト会議(RJC)が選んだのは日産自動車の小型車「ノート」だった。今年はマツダのスカイアクティブエンジンが搭載され、デザインの評価も高いスポーツ多目的車(SUV)の「CX-5」、ホンダが久々に本格開発し、販売が絶好調の軽自動車「N BOX」、フルモデルチェンジで燃費性能を一気に向上させたスズキの「ワゴンR」など有力車が並ぶ大激戦だったが、日産が昨年の電気自動車(EV)の「リーフ」に続き、二年連続の受賞となった。

 日産の技術力とデザイン力の高さが改めて評価されたわけだ。 トヨタが低価格のハイブリッド車として鳴り物入りで市場投入した「アクア」は販売は好調だが、RJCでの評価は低く、得点は三菱自動車の「ミラージュ」をも下回る六位に甘んじた。日産は二〇一二年三月期決算で五千四百五十八億円の連結営業利益をあげ、三千五百五十六億円にとどまったトヨタを抑え、営業利益で業界トップに立っており、業績、商品の両面でトヨタを上回った形だ。もちろんトヨタが今期以降、底力を発揮すれ・・・