「完全復活」遂げる電力業界
「改革論議」を見事に潰す
2012年12月号
それはまさに、電力業界から凱歌が上がった瞬間だった。野田佳彦首相は自民党の安倍晋三総裁との党首討論で、「唐突に」衆院解散を宣言。日本に混乱、停滞、閉塞をもたらした民主党政権の退場を期待し、国民は大いに沸いたが、中でも温暖化対策、福島第一原子力発電所事故対応、東京電力処分、原発再稼働問題などで散々煮え湯を飲まされ続けた電力業界の喜びはひとしおだった。とりわけこの時期の解散は、電力業界の将来を占う上で意義が大きい。「発送電分離」と「完全自由化」という二大改革を骨抜きにし、原発中心の電力システムを復活させる千載一遇の「好機」だからだ。