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政治

《政界スキャン》

痛々しい鳩山引退

2012年12月号

 今回の衆議院選挙を機に、一気に四人の首相経験者が引退することになった。就任順に羽田孜、森喜朗、福田康夫、鳩山由紀夫、めずらしいことだが、首相を粗製乱造した結果ともいえる。

 ついでに言えば、引き続き選挙に挑む首相経験者は安倍晋三、麻生太郎、菅直人の三人。菅は落選説が流れている。ほかに健在の首相OBが中曽根康弘、海部俊樹、細川護熙、村山富市、小泉純一郎の五人、今回の引退組と合わせると、なんと九人が政界の外で生きている。こんな国は多分、日本だけだろう。

 ところで、鳩山の引退がちょっとしたニュースになった。ほかの自主的引退と違って、
「辞める気はなかったが、(消費増税反対、環太平洋パートナーシップ協定・TPP反対などの)主張を貫くと党から公認されないことがわかり、引退を決断した」
 と語った。民主党は公認申請に当たり、党の方針を守る誓約書への署名を求めており、鳩山はこの踏み絵を拒否したわけだ。

 首相経験者が不本意に政界を去るケースはめったになく、すぐ思い起こすのは二〇〇三年十一月の衆院選の直前、小泉首・・・