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「左傾化」しかない韓国の宿命

「暗黒の十年」が繰り返される

2012年12月号

 五年に一度の政治の季節を迎えた韓国では、既視感に襲われるような光景が繰り広げられている。現職大統領の支持率は凋落した上にスキャンダルに塗れ、次期政権を担わんとする候補者の一本化で揉める。 「暗黒の十年が繰り返される」  韓国財閥メーカーの幹部は、経済界の危機感を露わにする。暗黒の十年とは、李明博現大統領の前に二代続いた金大中、盧武鉉の左翼政権下のことだ。アジア通貨危機に端を発し、国際通貨基金(IMF)管理下という事態に見舞われた金大中時代と、それに続いて無為無策のまま国内経済を停滞させた盧武鉉前大統領。この「国難」の反動から生まれたはずの現政権への嫌気から、揺り戻しを起こそうとしているのだ。

危惧される経済の急失速

 十二月十九日の投票日が迫る中で、野党はようやく候補者の一本化にこぎつけた。十一月二十三日に、無所属の安哲秀氏が出馬を取りやめたことで、民主統合党の文在寅氏が野党系統一候補となった。過去の例を見ると、一本化に成功した候補は勝利を収めている。  最後まで交渉が難航したのには理由がある。韓国の政治ジャーナリストはこう語る。・・・