再選を果たしたオバマ米大統領が、中東問題で早くも破綻の危機に直面している。十一月に火を噴いた、ガザのハマスとイスラエルの交戦で、オバマ政権の無策ぶりが顕わになった。しかもオバマ大統領は、一期目より遥かに軽量級の安保・外交チームで臨まざるを得ず、米国の影響力低下は深刻だ。

和平工作は「ほとんど死語」

　オバマ政権には「またか」の紛争だった。四年前の十二月、政権の中核メンバーが決まり、登場を待っていた時に、ガザで戦闘が起こった。この時は、大統領就任二日前の二〇〇九年一月十八日に、イスラエルのエフード・オルメルト首相（当時）が「目標は達成した」と一方的に停戦した。今回は、仲介役としてまず、停戦させなければならない。オバマ大統領はアジア外遊のさなか、同行のヒラリー・クリントン国務長官を急遽、中東に派遣した。 「四年前に比べ、ハマスは一層強力になり、イスラエルのネタニヤフ政権は、前政権より頑なになった。オバマ大統領は一期目の四年間、中東和平で何もできなかったツケを払わされている。ハマスは『経済封鎖解除』を勝ち取り、自信を深めた」と、イスラエル消息筋・・・