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連載

Book Reviewing Globe342 

中国の海軍力は本物

2012年11月号

Red star over the Pacific China's rise and the challenge to U.S. maritime strategy

 尖閣諸島をめぐる日中間の緊張の帰趨は、今後数十年の東アジアの地政学を規定することになるだろう。

 日中ともその恐ろしさをいまだ十分に理解していないように見える。

 日本は戦後の平和ボケ、中国は過去三十年の平和台頭ボケのせいで、その怖さを認識していない。

 尖閣問題は、「漁政」や「海監」がゴチョゴチョと人の庭先を荒らすような次元ではなく、中国の海軍力の行方とそれがもたらすアジア太平洋の戦略的環境の激変、そして地政学的葛藤へとつながる恐ろしさを秘めている。

 中国の海軍力にいかに対応し、対抗するか、という軍事戦略問題としてそれをとらえておく必要がある。

 数年前まで、ロバート・ロスやバーナード・コールのような経験を積んだ中国ウオッチャーたちは、中国の海軍力は決してホンモノにならないだろう・・・