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経済

マツダが中国で無謀な「賭け」

「虎の子技術」に伸びる触手

2012年11月号

 米フォード・モーターの資本引き揚げで路頭に迷った感のあるマツダ。米国市場からは撤退、金融危機に見舞われた主力の欧州市場の低迷と、海外事業でも不振を極める中、残された最後の市場、中国でいま起死回生の「大博打」を打とうとしている。

慎重論はいつしか楽観論に

「曹妃甸プロジェクト」―中国共産党政府が進める国家事業で、河北省唐山市曹妃甸の広大な湾岸地域を工業区に造成するというもの。その規模は東京二十三区の半分に相当し、胡錦濤国家主席の肝いりとされることから、別名「胡錦濤プロジェクト」とも呼ばれている。この曹妃甸に、日本の環境技術企業を呼び込もうと中国政府も積極的な誘致を繰り広げているが、プロジェクトの目玉として、曹妃甸への進出話が中国側からマツダに転がり込んできたのだ。  中国政府は近年、自動車市場の急激な膨張の一方で、供給過多による市場の飽和に直面し、自動車生産にブレーキをかけようと大きな政策転換に乗り出している。それだけに、中国事業の拡大を目論むマツダにとって得難い好機となる「曹妃甸進出認可」は喉から手が出るほど欲しい。だが、それと引き換えに・・・