トヨタが電気自動車「決別宣言」
止まらぬハイブリッド一本足経営
2012年11月号
激化する反日運動の影響により、中国市場での販売が前年同期比半減という目を覆うばかりの惨状を呈しているトヨタ自動車。これによって豊田章男社長の肝いりで大々的に発表された「営業利益一兆円」「世界生産年一千万台」という計画は、あえなく失敗に終わりそうだ。こうした窮状を覆い隠すかのように、またしてもトヨタから「打ち上げ花火」が上がった。「これから二十一車種のハイブリッド車(HV)を投入し、向こう三年間はHVの年間世界販売で百万台を維持する」(内山田竹志副会長)というのだ。だが、注目すべきはそこではない。トヨタは同時に、電気自動車(EV)の量産化を事実上断念するとも受け取れる「方針」も明らかにしているのだ。その背景には中国事業の不振がマスコミに大きく取り上げられないようにするための「目くらまし」に留まらない、トヨタ開発部門の深刻な「台所事情」がある。