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経済

《企業研究 》商船三井

大博打経営で負った深手

2012年11月号

「博打経営がついに破綻した」。業界筋の一部からはこんな囁きも漏れる。十月初旬、二〇一二年度上期(四~九月)業績の減額修正を迫られた海運大手の商船三井。七月末時点では十億円の黒字としていた営業損益は三十億円の赤字と、二期連続で水面下に沈没。投資有価証券の評価損約七十四億円の特損計上もあって、最終損失は百三十五億円と、前年同期の八十億円強から赤字幅が拡大する。

 期初にそれぞれ百六十億円、三十億円への黒字転換を見込んでいた通期の営業損益、最終損益については「現在、精査中」としているものの、機関投資家の間からは「下期も経営環境が劇的に好転するとは思えず、上期の赤字を帳消しにするのはムリ。下手をすればさらに赤字が膨らむ可能性だって捨て切れない」(大手生保幹部)との声がしきり。

 仮に幾ばくかの黒字を確保できたにしても、営業利益は五百億円を見込んでいる日本郵船ばかりか、川崎汽船の二百七十億円をも下回り、大手三社中、最下位へと転落するのはもはや確実とも言える情勢だ。

 〇四年三月期に日本郵船を抜き去り、以来、一一年三月期まで八・・・