《クローズ・アップ》孫 正義(ソフトバンク社長)
「投資家」から「事業家」への夢想
2012年11月号
「私の命を賭けて必ずドコモを超える。見ていてください」。ソフトバンクの孫正義社長がツイッターでこう宣言したのはちょうど二年前。そして十月十五日、孫社長は米携帯電話三位のスプリント・ネクステルを一兆五千七百九億円で買収すると発表した。加入者を合算すると約九千六百万人とNTTドコモの六千百万人を軽々と超え、売上高も約二兆五千億円と世界三位になる。米国市場参入という誰も予想しなかった大技で「公約」を実現したのだ。
ある外資系経営コンサルタントは「孫さんが携帯電話に参入して六年。そろそろ売り抜けて電力など次の事業に移る時期かと思っていた」と意外感を隠さない。
ソフトバンクはこれまで、規制産業に挑戦する形で事業を拡大してきた。あおぞら銀行やテレビ朝日買収など、同社の軌跡がそれを証明している。「規制に挑戦」といえば聞こえはいいが、言い方を換えれば「孫社長は既得権のあるところに超過利益があることを敏感にかぎ取ってきた人物」(同コンサルタント)でもある。
その孫社長が通信事業で米国大手を買収し、あわよくば世界最大の通信インフラ会社・・・
ある外資系経営コンサルタントは「孫さんが携帯電話に参入して六年。そろそろ売り抜けて電力など次の事業に移る時期かと思っていた」と意外感を隠さない。
ソフトバンクはこれまで、規制産業に挑戦する形で事業を拡大してきた。あおぞら銀行やテレビ朝日買収など、同社の軌跡がそれを証明している。「規制に挑戦」といえば聞こえはいいが、言い方を換えれば「孫社長は既得権のあるところに超過利益があることを敏感にかぎ取ってきた人物」(同コンサルタント)でもある。
その孫社長が通信事業で米国大手を買収し、あわよくば世界最大の通信インフラ会社・・・