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政治

日本の「無政府状態」は長引く

「石原新党」で解散は遠のいた

2012年11月号

「今日をもって辞職する」――。十月二十五日午後三時過ぎ。東京都知事石原慎太郎(八十歳)は都庁で行った記者会見でいきなり都知事辞職を切り出した。その上で新党結成と国政復帰の意向を表明した。浮かんでは消え、消えては浮かんできた石原新党構想がようやく具体化に向かった。  石原新党の実現を強く迫ってきた「たちあがれ日本」幹事長の園田博之は「臨時国会で衆議院解散の可能性がある。それ以外の理由はない」とこのタイミングの背景を語る。無論それだけが石原の決断の理由ではない。たちあがれ代表平沼赳夫の側近は「九月二十六日までは動かない」との意向が石原サイドから伝えられていたと証言する。九月二十六日と言えば自民党総裁選の日だ。総裁選には慎太郎の長男伸晃が立候補。その伸晃は敗退した。「伸晃総裁」誕生に懸けていた慎太郎は新党に大きく舵を切ったのである。さらに石原にはもう一つのきっかけがあった。沖縄県尖閣諸島の国有化だ。首相野田佳彦が国有化を決めた際、伸晃は周辺にこう語っていた。 「都知事が再び新党結成に向かうかもしれない」

野田の解散権行使にブレーキ

 しかし、石・・・