安倍晋三が描く政権「青写真」
保守勢力「結集」は実現するか
2012年11月号
「(連携の可能性は)それはこれからだ。現段階では一人でも多くのわが党の候補者が(次期衆院選で)当選を果たすように全力を尽くす。石原慎太郎東京都知事は実績もあるしカリスマ性もあるから、政界に対する影響はある。保守勢力を例えば憲法改正で再編をしていく、結集していくというのは選挙をやった後だろう」
自民党総裁、安倍晋三は十月二十五日、突然飛び込んできた石原の都知事辞任と新党結成のニュースについて記者団にこう語った。
知名度と人気の高い石原の決起により、政局はいよいよ混沌としてきた。解散恐怖症に罹患した首相の野田佳彦がいくら延命に汲々としても、来年夏までには衆院選は必ず行われる。
今回、石原新党という新要素が現れたことで、衆院選後の政界の勢力地図がどうなるかは不透明さを増した。ただ、いずれにしても比較第一党は自民党となるのはほぼ間違いない。
つまり、石原がどう動こうと、安倍が次期首相の座に最も近い位置にいるという構図には何ら変わりはないのだ。