《日本のサンクチュアリ》沖縄防衛局
カネと利権をばらまく「伏魔殿」
2012年10月号
米軍普天間飛行場のたらい回しという難題を押し付けられ、反対の大合唱の中、目前には米海兵隊の垂直離着陸輸送機オスプレイの普天間配備を控える沖縄県。彼の地で、防衛省の出先として自衛隊、在日米軍と地元自治体、住民との調整、連携を担うのが沖縄防衛局である。だが、その連絡調整の任務は表の世界であり、逆光線を当てると、日米同盟強化の名の下で権益拡大を狙う諜報工作機関、そして米軍再編をめぐる利権調整役としての裏の顔が浮かび上がる。
沖縄防衛局は全国に八カ所ある地方防衛局の中でも注目度が格段に高い。在日米軍基地の七五%が集中し、近年では中国の軍拡に対抗する南西防衛強化の最前線となっているためだが、それだけが原因ではない。トップの局長だった眞部朗とその前任の田中聡がミソをつけた余波があまりに大きいからだ。
電力業界と酷似の「なんでもあり」
田中は二〇一一年十一月、報道各社の懇親会で、普天間飛行場の移設予定地である名護市辺野古の環境影響評価書の提出に関し「犯す前にこれから犯しますよと言うか」と発言した問題で・・・