考古学を捻じ曲げるマスコミの罪
NHK「捏造番組」のやりたい放題
2012年10月号
今年は奈良・高松塚古墳の壁画発見から四十年に当たる。世の古代史ブームに火をつけた・飛鳥美人”の壁画が、文化庁の恐るべき怠慢、杜撰な管理によって退色し、石室の解体にまで追い込まれたのは誰もが知るところである。
二〇〇〇年の旧石器捏造事件に続いて起きた高松塚の問題によって、古代史に対する一般の関心は急速に萎えてしまった感は否めない。その責任は、第一に遺跡の発掘という神聖な行為を売名に利用した何人もの考古学者と、文化庁に代表される埋蔵文化財の監督官庁の怠慢にある。だが、それに加えて、一部の新聞やテレビというマスコミが犯した罪悪にも、改めて目をむけるべきだろう。
真っ赤な嘘のナレーション
その代表的な事例が、藤村新一なる人物によって演じられた旧石器の捏造問題を暴いた毎日新聞の卑劣な手法である。この大特ダネは、新聞業界で最高の栄誉とされる新聞協会賞を受賞しているのだが、それほどの称賛に値する代物ではない。毎日は藤村の捏造に気づき、その証拠を押さえようと取材を続けている間に藤村らによって・・・