「竹島周辺」を荒らす韓国漁船
マグロとその幼魚を乱獲
2012年10月号
韓国との間で領有権問題が過熱化する島根県竹島。李明博大統領の不法上陸でにわかに険悪化する両国関係だが、韓国に踏み荒らされているのは、竹島の領有権だけでなく、周辺海域の漁場でも同じだ。この間、同島周辺に広がる日韓暫定水域でも韓国の巻き網漁船による太平洋クロマグロの乱獲が繰り返されており、日本を含めた周辺諸国の規制強化の努力はないがしろにされ続けている。
水産庁は八月二十九日、クロマグロの養殖業者を含む漁業関係者を集めた全国大会を開催、養殖場の拡大を自粛するよう協力を求めた。その背景には、クロマグロの資源量が枯渇寸前に陥っている危機的状況があることは言うまでもない。近年、問題とされているマグロの乱獲は成魚のみならず、産卵前のマグロの幼魚(ヨコワ)の減少化傾向をも表面化させている。本来、マグロ資源の維持、保全のために実用化されてきた養殖技術だが、そのヨコワを獲って育てる養殖業をも規制しなければならないほど、資源状態は深刻なのだ。