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連載

日本の科学アラカルト26

ノーベル賞受賞も期待される超高速光通信研究

2012年10月号

 新聞社の科学部記者が忙しくなる季節がやってきた。十月八日の医学・生理学賞を皮切りに、物理学賞、化学賞など、ノーベル賞各賞の受賞者が相次いで発表される。日本人が受賞でもすれば、日頃他部署に比べのんびりとしている空気は一変、蜂の巣をつついたような騒ぎになる。もちろん事前に受賞予想者の当たりはつけており、予定稿も準備しているがそれでも間に合わないのだ。

「有力候補」と呼ばれる研究者は多い。最近では、米金融情報会社トムソン・ロイターによる、「引用栄誉賞」が有力なノーベル賞受賞者予想として機能している。九月十九日に同社は新たに二十一人の有力候補を発表し、そこには医学・生理学分野で理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの竹市雅俊センター長ら三人の日本人の名前が挙げられた。これまでにiPS細胞で有名な京都大学の山中伸弥教授など多くの候補がおり、この中から受賞者が出ることは容易に予想できる。

 しかし、ノーベル賞は英国ブック・メーカーで賭けの対象となっていることを見てもわかる通り、誰がいつ受賞するかは予想が難しい。「万年候補」と呼ばれる研究者も多く残さ・・・