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経済

アップルと心中するソフトバンク

iPhone5が「最後の晩餐」に

2012年10月号

 米アップルの新型スマートフォン「iPhone5」が九月二十一日、各国で発売された。予約受け付けの段階で想定されたように、販売の出足は同社の過去最大のヒットとなった前機種「iPhone4S」を遥かにしのぐスピードとなった。「QE・とiPhone5が二大プレゼントになる」と米系アナリストは浮かれる。  一方、日本では九月二十一日、ソフトバンクとKDDIが販売を開始。東京・銀座のソフトバンクショップでは朝八時に三百人近い行列ができた。ソフトバンクの孫正義社長は、「一人でも多くの人に、iPhone5の素晴らしさ、アップルのiPhoneの世界の素晴らしさを、家族だとか友達だとかに伝えていただきたい。ソフトバンクにはその情熱がある」と熱弁した。

「麻薬のようなもの」

 それにしても、ソフトバンクのiPhone5への入れ込みぶりは異常だ。ライバルのKDDIが、テザリングを解禁すると発表すると、すぐに孫社長はツイッターで「検討します」と発信、LTE(次世代高速通信規格)の周波数が脆弱であるにもかかわらず、テザリングの解禁に踏み切った。テザリングとは屋外な・・・