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経済

イオン銀行がまたも「マジック」

度重なる組織変更で「実態隠し」

2012年10月号

「またもや、イオン・マジックなのか―」  イオングループが去る九月十二日に打ち出した「総合金融事業の構造改革」を巡って、すでに金融業界から失笑が漏れている。  中間持ち株会社を設立し、その下にイオンクレジットサービスとイオン銀行を完全子会社として配置するという今回の改革。だが、「イオン銀行のてこ入れにすぎない」という見方が早くも広がりつつあるのだ。その実情はどうなのか。

「本業は赤字か収支トントン」

 二〇〇七年の創業以来、赤字続きにあったイオン銀行は、前期の一二年三月期に最終利益四十二億円を計上し、ようやくにして単年度黒字化を果たした。この黒字化について、イオングループは表向き「業容拡大」の成果を強調し、それによって今回の改革に弾みがついたと説明している。  しかし、その説明はイオン銀行の内部関係者が本誌に語った証言とはあまりに食い違っている。その証言による黒字化の主因とは、「買収した旧日本振興銀行の貸出資産に積まれていた貸倒引当金の取り崩し利益と有価証券売却益」だという。  イオン銀行が一一年十二月、経営破綻した旧日本振興銀行・・・