天下り先拡大に躍起の経産省
復興支援をフルに利用
2012年10月号
「震災復興支援に名を借りてまで、いまさらクレジットカードの利用促進キャンペーンなどやる必要があるのか。協会側のパフォーマンスに体よく乗せられているだけじゃないか!」。大手地銀系カード会社幹部が怒りに唇を震わせる。
社団法人日本クレジット協会(JCA、会長・堀部政男一橋大学名誉教授)が来年三月実施をメドに画策する業界キャンペーン―「クレジットで東日本に元気を」なる事業に対し、会員各社の不満と反発が爆発している。通常の年会費とは別に、年間カード取扱高に応じて一社当たり最高六百万円もの協賛金を拠出させられるうえ、「そんなことしても、効果のほどはたかが知れている」(信販系関係者)とみられるからだ。
だが、会員各社の怒りが収まらない理由はそればかりではない。復興支援に名を借りた同事業の背後には、国からの後援を得る実績作りを通じて、天下り人材の「功用」を強調したい、との経済産業省のあざとい思惑が透けて見える。