冷めてきた「橋下フィーバー」
内紛激化で「維新」は自壊の危機
2012年10月号
「これはまずいぞ。保守系の有権者はどん引きだ。維新の会は失速してしまうんじゃないか」
新党「日本維新の会」が大阪市で公開討論会を開いた九月二十三日夜、同会関係者はこうつぶやいた。この日、代表の大阪市長、橋下徹が韓国が不法占拠している島根県竹島について、こんな暴言を吐いていたのだ。
「どうやって共同管理に持ち込むかという路線に舵を切らなければいけない。竹島の問題については、日本はすでに敗北だと思う」
橋下の発言は、国家が最も重視すべき領有権問題で一方的に韓国に譲歩することを求めるものであり、しかも、韓国側が到底受け入れるはずのない「思いつき」レベルの発想というほかない。
もともと外交・安全保障問題が弱点と指摘されてきた橋下だが、これはいかにもひどい。この程度の国際感覚では、「地方政治家」が国政進出・天下取りを狙うのはまだ早いと皮肉られても仕方がないところがある。
フジテレビの番組「新報道2001」の直近の世論調査(九月二十日実施)でも、維新の会の支持率は四・八%と、前回十三日調査の九・四%からほぼ半減した。これは首都圏限定の調査ではあるものの、維新の会への期・・・