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政治

安倍晋三は自民党を割るか

にわかに活気づく総裁選の行方

2012年9月号

 九月末にも実施される予定の自民党総裁選が、にわかに活気づいている。衆院解散・総選挙後は自民党が比較第一党に返り咲くのはほぼ確実で、次期総裁はイコール首相、との見方が有力だからだ。  現在、総裁選に出馬すると見られるのは総裁の谷垣禎一、前政調会長の石破茂、元官房長官の町村信孝、元首相の安倍晋三らで、明確な構図はまだ見えない。  幹事長の石原伸晃は「谷垣さんが出馬するなら支援に回る」と明言しており出られない。政調会長代理の林芳正と元法務副大臣の河野太郎も意欲は示しているが、立候補に必要な二十人の推薦人を集められそうにない。

出馬の腹は固めた

「谷垣総裁が(九月八日が会期末の)今国会中に衆院解散に追い込むと言っているときに、誰が(総裁選に)出るという話をしたら党内はまとまりっこない」  石破は八月十七日の民放番組でこう述べた。出馬を取りやめて谷垣支持に回ったとも受け取れる発言だが、真意はそう単純ではない。周辺によると、石破はこう憂慮しているという。 「十月には中国の活動家がもう一度、沖縄・尖閣諸島に来る。垂直離着陸輸送機オスプ・・・