《土着権力の研究》島根県 中筋組
「全国一」の公共事業を壟断する政商
2012年9月号
島根県は、知る人ぞ知る県民一人あたりの公共投資額全国一を長年誇ってきた県である。それゆえに同地には、政治献金と工事受注がセットになった悪しき「土建政治構造」がはびこってきた。地元選出の大物国会議員である故・竹下登元首相や青木幹雄元自民党参議院議員会長、さらには自民党(国民政治協会)への献金を通じて密接な関係を築いてきた竹下・青木系と呼ばれる建設会社数社が、県内の公共事業をほぼ一手に牛耳ってきたのだ。
「島根県は大きな産業や大企業が少なく、建設業が大きな割合を占める。そのため、いざ選挙となると彼らは強力な集票マシーンと化す。建設業界と政治家が支え合う“土建王国”の代表的な地域です」(地元の経済アナリスト)
こうした献金業者の中でも「最も力がある」と地元の政界関係者が口をそろえるのが、出雲市に本社を構える「中筋組」だ。同じく献金業者である「まるなか建設」(松江市)もグループ会社に抱える中筋組の中筋豊通社長は、建設業界を取りまとめる「島根県建設業協会」会長であると同時に、本社がある出雲地区の代表も務めている。
青木幹雄氏とのただならぬ関係
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