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WORLD

「保護主義」ふりかざすEU

域外企業へ次々と「制裁」

2012年9月号

 去る六月二十七日、欧州連合(EU)の下級裁判所である欧州通常裁判所で、マイクロソフトにほぼ全面敗訴の判決が下った。同社のOS「ウィンドウズ」のネットワーク構築機能について、欧州委員会は二〇〇四年に互換性情報の開示を命じた。だが、命令が遵守されていないとして欧州委員会は〇六年に二億八千五十万ユーロの強制金を賦課、〇八年には「不遵守が続く」としてさらに八億九千九百万ユーロ(史上最高額)の莫大な追加措置を課した。今回の訴訟は後者の強制金を不服としてマイクロソフトが提起したものだが、裁判所が同社の主張を認めたのはわずか四%にあたる三千九百万ユーロ分のみ。残り九六%にあたる八億六千万ユーロ分については欧州委員会に軍配を上げ、規制庁側の圧倒的勝利となったのだ。  喜びに沸いた欧州委員会のアルムニア副委員長(競争政策担当)は、「消費者と競業者の利益のために引き続きEU競争法の執行に打ち込んでいきたい」と今後の抱負を語ったが、それからわずか半月後の七月十七日には、「ウィンドウズとインターネットエクスプローラーの抱き合わせの解決策実施につき虚偽報告が行われていた可能性あり」として新たに調査を開始・・・