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経済

トヨタ・BMW提携の真相

実態は反EVで結束の「弱者連合」

2012年8月号

 二〇一二年六月二十九日、トヨタ自動車と独BMWが環境技術の提携拡大を発表した。トヨタのハイブリッド車(HV)技術とBMWのクリーンディーゼル技術を相互に供給するとともに、次世代環境技術の燃料電池電気自動車(FCEV)開発を共同で進めるという。 「虎の子のHV技術を全面的に提供するという踏み込んだ提携拡大。トヨタの本気度を感じる」と、自動車担当の全国紙経済記者は評価する。が、「両社の提携会見の内容は奇麗事であり、本当の狙いは全く別」と、業界内の反応は実に冷ややかだ。  業界内では周知の事実といわれるトヨタ・BMWの国際エコカー提携、その「本当の狙い」とは何か?

公にされていない理由

「BMWは高級車ブランドとして独自技術に強いこだわりがある。にもかかわらず、今回の提携ではBMWが最先端の技術を提供するだけでなく、商品競争力の源泉であるスポーツカーの共同開発にも踏み出す。それほどまでにトヨタのHV技術が欲しかったということだ」と、前出の全国紙経済記者はみる。しかし「そもそもトヨタのHVは門外不出の技術ではなく、積極的に国内外の他社へ売り・・・