お粗末過ぎる「外事警察」
無能な「冷戦時代の遺物」
2012年7月号
「外事警察」が注目を浴びている。
きっかけは、NHKで放送されたドラマとその原案小説『外事警察』(麻生幾著)だった。放送は二〇〇九年、昨年末には続編小説が出て、この六月に映画が公開されている。
「先日映画を見てきたが、フィクションとはいえ余りに現実とかけ離れている」
警視庁の公安関係者は、こう呆れた。「公安が生んだ魔物」なる超人的主人公が大金を動かし工作活動を駆使してテロリストを追い詰める姿について、「実際はもっと地味なもの」と自嘲気味に語った。