大和証券「処理」が最終段階に
取り沙汰される日生との急接近説
2012年7月号
典型的な「流転」である。
二〇〇九年末に三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)との提携解消以後、軸足を失ったような迷走を続けている大和証券グループ本社が、いよいよ存亡をかけた正念場に差し掛かっている。
「何もしなくても、二年間は生きていける」
二年半前、SMFGを袖にした大和証券グループ本社社長の鈴木茂晴氏(現会長)が豪語したこの言葉の通り、単独・独立路線に転じた大和証券グループは確かに今も生き続けている。だが、それは「何もしなくても」という無為の二年間ではなかった。逆に、打って出た戦略が次々に空振りに終わるという失敗の連続。むしろ、「何もしなかったほうが傷は浅かった」という皮肉めいた声すら内部から聞こえてくる二年半だった。
提携解消当時、鈴木氏の強気発言の背景には、まだ財務的な裏付けがあったが、この間、一兆円近い自己資本も徐々に食いつぶし、約二兆円とも豪語していた短期流動性資金は半分以下にまで目減りしているといわれる。