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経済

税金にたかるソニー

国費で体よくリストラ画策

2012年7月号

「開いた口が塞がらない」とだれもが思ったに違いない。ソニーのハワード・ストリンガー会長が、六月十一日に開催された総務省などが主催する「世界ICTサミット2012」の講演会に登壇、久々に公衆の面前に姿を見せた。情報通信技術をつかって日本を再び成長させるというテーマなのだが、あまりにも言いたい放題なのだ。  ストリンガー氏曰く、「日本の若者は自分の殻をやぶろうとしない」「日本のエレクトロニクス業界に新規参入した有力企業がここ数十年ない」「米フェイスブックのように、リスクをとって行動する企業がない」─。  講演を聞いたある家電メーカー幹部は「正論は正論かもしれないが、ストリンガー会長からは聞きたくない」と話した。「まるで戦争末期の旧日本軍大本営だ。敗色が濃厚なのに若者を駆り出せと言っているようなものだ」。  ソニーの二〇一二年三月期の連結決算は最終損益が四千五百六十六億円と過去最大の赤字に膨らんだ。主因はもちろんテレビの苦戦。液晶テレビ「ブラビア」の販売減に価格下落も重なり、売り上げが三割近く減少。設備や在庫などの減損処理も響いて実質一千四百八十億円の営業赤字になったからだ・・・