東電新体制が目論む「福島切り捨て」
政治を籠絡し着々と外堀埋める
2012年7月号
六月二十七日、大荒れとなった株主総会を切り抜け、東京電力は新体制に移行した。初の社外登用となった下河邉和彦新会長、「非勝俣ライン」の廣瀬直己新社長の二枚看板で生まれ変わりを演出する一方、実務を固める旧東電勢力は着々と失地回復へと動き始めている。彼らが目論むのは、健全な電力事業を担う「グッド東電」と賠償や廃炉を担う「バッド東電」の分離、すなわち、福島第一原子力発電所事故による「負の遺産」との決別だ。