《クローズ・アップ》小泉光臣(日本たばこ産業新社長)
もはや海外市場で生きるしかない
2012年7月号
国内機関投資家をはじめとした市場関係者らの間で日本たばこ産業(JT)株への評価が高まっている。「海外展開で着実に成果を上げる一方、景気変動などの影響も受けにくい」(大手生保幹部)というわけだ。六月十二日には終値ベースの時価総額が初めて、同じ旧国営公社組のNTTを上回った。その後は再びNTTに逆転を許したものの、ITバブルの最盛期には二十八兆円強、およそ十五倍もの乖離があった両者の差は二千億円前後にまで縮まった。政府が震災復興財源対策として今年度中に予定している保有JT株約百六十七万株の放出(売却収入見込み約五千億円)に伴う需給悪化懸念が薄らげば、「再々逆転もあり得る」(証券筋)との見方が強い。
そのJTの新社長に同二十五日付で正式に就任したのが、小泉光臣氏だ。国内外のたばこ事業を一手に束ねるたばこ事業本部担当(=本部長)副社長からの昇格で、一九八一年旧日本専売公社入社の五十五歳。これでJT社長は二〇〇〇年六月就任の本田勝彦氏から三代続けてプロパー出身者が担うことになるが、一部で留任説も流れた旧大蔵省OB、涌井洋治会長の後任に前社長の木村宏氏が収まったことで八五・・・
そのJTの新社長に同二十五日付で正式に就任したのが、小泉光臣氏だ。国内外のたばこ事業を一手に束ねるたばこ事業本部担当(=本部長)副社長からの昇格で、一九八一年旧日本専売公社入社の五十五歳。これでJT社長は二〇〇〇年六月就任の本田勝彦氏から三代続けてプロパー出身者が担うことになるが、一部で留任説も流れた旧大蔵省OB、涌井洋治会長の後任に前社長の木村宏氏が収まったことで八五・・・