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政治

「小物」ばかりの自民党総裁候補

人材不足は民主党と同レベル

2012年7月号

 あまりと言えばあんまりな民主党の政権運営の未熟さと拙さ、そして三代にわたるリーダーの資質のなさに自民党による政権奪還が現実味を増している。ただ、それでは再び政権与党に返り咲いた場合、誰が党総裁として首相の座に就くのかと考えると、これまたどうにもぱっとしない。  結論から言えば、リーダーの人材不足は民主党だけでなく、比較的層が厚いといわれる自民党も同じなのである。九月に行われる予定の次期総裁選は、国民から「自民党にはもうこんな人たちしかいないのか」と改めて失望を買う舞台となるかもしれない。

石原が一番「軽い神輿」

 国民の期待が集まらない首相候補の筆頭は、現総裁の谷垣禎一だろう。東大卒の弁護士出身で当選十回、財務相や国土交通相を歴任した経歴は申し分ないが、何とも影が薄い。 「もう一度、自民党を政権に戻すのが私の使命だ。私自身が先頭に立つ決意がなければならない」  谷垣は六月三日のNHK番組でこう述べ、総裁選での再選に意欲を表明した。もう三年近く総裁を務めており、本来なら手を挙げた時点ですんなり再選の流れとなってもおかしくないが、そう・・・