《土着権力の研究》栃木県 県議会議員・石坂真一
県政を「コントロール」するボス
2012年7月号
宇都宮駅は街の中心部から東に少し外れ、川を越えた場所にある。新幹線も止まる立派な駅舎が立ち、中心街方面の西口には比較的新しい商業ビルがあるものの、東京からわずか五十分で到着する県庁所在地としてはうらさびしい。
「閉塞感を打破したいのに、栃木はどこを見ても元気がない」
宇都宮在住の商工会関係者はこう語る。全国一の生産量の苺栽培を除けば、代表的な産業といえるものは見当たらない。県内総生産や、所得、財政状況など、飛びぬけて良くも悪くもない。ほぼ唯一の「有名地元企業」だった家電量販のコジマは、五月にビックカメラの軍門に下ることになった。
浮上したキングメーカー
どこを掘っても地味な栃木で、県政を仕切る「キングメーカー」と誰もが認めるのが自民党県連の幹事長を務める県議の石坂真一だ。
かつては、他の北関東県と同様に「王国」が栄えた栃木の自民党も、ご多分に漏れず国会の議席を減らした。また、県北部を地盤とする渡辺喜美が党を去ったことも、一つの不幸だった。
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