「漢方薬時代」に取り残される日本
医療費増大の隠れた「元凶」
2012年6月号
国家財政を圧迫する高齢者医療の無駄については、すでに弊誌前号が指摘しているところだが、その医療費増大の隠れたもう一つの「元凶」ともいえるのが、処方薬の高額化という問題だ。開発に膨大な資金が投じられる新薬は年々高額化し、医療財政を圧迫しているのは周知のとおりだ。
こうした中、これに歯止めをかける「切り札」として昨今、期待が集まるのが「漢方薬」だ。後述するように、ここにきて世界的に漢方薬の効能について再評価が起こっており、欧米諸国を中心に、新たな研究開発が活発化している。
しかし、こうした諸外国の動きに大きく後れを取っているのが、日本の医療現場だ。