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経済

みずほ「統合」は夢のまた夢

主導権めぐり行内は一触即発

2012年6月号

 二〇一三年七月のみずほ銀行(BK)、みずほコーポレート銀行(CB)合併をめざし、この四月から実質ワンバンク化をスタートさせた、みずほフィナンシャルグループ(FG)。合併まで残すところ一年となった今、グループの代名詞ともなっている内部抗争はさすがに鳴りを潜めている―はずがない。BK内部では今、佐藤康博FG社長兼CB頭取に対する批判と反発が急速に広がり、恒例の内部抗争が再び熱を帯び始めているというのだ。

巨額赤字の責任から逃げる佐藤氏

 発端は、今年三月期決算でみずほ証券(SC)が陥った巨額最終赤字だ。欧州債務危機などによる世界的な株価低迷の煽りで売買注文が細って手数料収入が落ち込む一方、自己売買部門の債券トレーディングなどでも損失が発生。最終赤字は一一年三月期に計上した二百九十三億円を大幅に上回る九百五十六億円にも達し、二期連続水面下に沈んだのである。 「仮にSCの赤字がなければ、ウチのグループ最終利益は〇七年三月期以来、五年ぶりに三井住友(FG)を上回ってメガバンク二位に浮上していたハズ。それなのに佐藤さんは、SCの経営陣にすべて責任を押・・・