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経済

日本は「資源大国」になりうる

海洋と森林に「活路」あり

2012年6月号

 今年四月下旬、国連大陸棚限界委員会は、日本にとって重大なひとつの判断を下した。沖ノ鳥島周辺の三十一万平方キロを新たに日本の大陸棚として認める裁定だ。日本の大陸棚と認定されれば、排他的経済水域(EEZ)の外であっても海底に眠る鉱物資源の採掘権が日本に認められる。広大なエリアが日本の海洋資源開発の舞台に加わったわけだ。  世界でも海洋資源への関心が急速に高まっている。米国は世界で百六十カ国以上が批准していながら、自らは「主権侵害の部分がある」と批准を拒否してきた国連海洋法条約の批准を急ぐ方針を明らかにした。背景に海洋でも資源開発を推進し、経済を活性化しようという考えがあるのは明らかだ。

天然ガス消費量の百年分が埋蔵

「日本は資源のない国」という言葉は二十世紀前半に、満州など大陸やインドネシアなど南方への侵略の大きな理由付けに使われた。戦後教育でも社会科の教科書は日本を「資源小国」と規定し、資源を輸入するためには優れた工業製品を生み出し、輸出する必要がある、と子供たちに刷り込んできた。確かに、日本の国土面積は世界では六十一番目にすぎず、石油、天・・・