「塾」で政治家は作れない
永田町の劣化を加速させるだけ
2012年6月号
「皆さんは、解散があれば進んで挑戦してほしい。民主党も自民党もひどくて期待できない」
東京都知事の石原慎太郎は、五月二十三日夜、都内ホテルで開かれた「たちあがれ日本」の「かけはし塾」の研修会でこう訴えた。
石原が、同塾を発展させる形で「石原政治塾」に作り替え、大阪市長、橋下徹率いる「維新政治塾」と連携して政治家を養成する目論見であることは周知の通り。
三千人以上の入塾希望者を集めた維新政治塾の盛況と合わせるように、今年に入り地方政党を中心に政治塾が林立している。東海地方では、愛知県知事の大村秀章が「東海大志塾」、名古屋市長の河村たかしが「河村たかし政治塾」をスタートさせ、滋賀県知事の嘉田由紀子も「未来政治塾」を旗揚げした。雨後の筍、まさに「政治塾バブル」の様相だが、これは日本の政治に何をもたらすか。