インドネシアで「テロ復活」の兆し
忍び寄る「JIの影」
2012年6月号
今年三月二十一日にフランス・パリで発生したインドネシア大使館小包爆弾テロは、当のインドネシアだけでなく、他の東南アジア諸国の治安当局をも震撼させている。犠牲者はおろか、けが人も出なかった小さなテロが波紋を呼ぶのは、沈静化していたイスラムテロ組織「ジェマ・イスラミア(JI)」の再始動の狼煙とみられているからだ。東南アジアのイスラム過激派に詳しい専門家はこう語る。
「水面下に潜っていたJIの勢力は温存され、一部拡大している」
他のイスラム過激派との連携も継続しており、域内における新たなテロ発生の危険性は高まっているという。