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メキシコ麻薬戦争の元凶は米国!?

「組織寄り」新政権誕生が濃厚

2012年6月号

 麻薬戦争が吹き荒れるメキシコで、かつての与党「制度的革命党」(PRI)が七月一日の大統領選で政権復帰を果たす勢いだ。エンリケ・ペーニャ・ニエト前メキシコ州知事(四十七歳)が世論調査で、現与党「国民行動党」(PAN)の女性候補、ホセフィナ・バスケス・モタ氏に大差をつけている。「麻薬カルテルとの戦い」の失敗を受け、ペーニャ氏は政策変更を示唆。米政府も、PRIがカルテルとの共存に戻ることに懸念を強めている。

五年間で死者は六万人を超える

 大統領候補討論会が五月七日に行われてから一週間後。北部モンテレイの郊外、カデレイタの警察に「すごい数の遺体が捨てられている」との通報があった。遺体は頭部と手足が切断されたグロテスクな胴体で、数は四十九に達した。  現場には犯行声明があった。そばの建造物に、「Z100%」とスプレーで書かれていた。麻薬カルテル「ロス・セタス(Z団)」の仕業だ。  現地警察の広報官は、「ほかの地域で起きていることが、また起きたということだ」と最初から諦めの表情を見せた。胴体だけでは「身元確認は非常に難しい」と、捜査の難航を断・・・