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「四面楚歌」となり始めた中国

米国の「ピボット(軸足)政策」前進へ

2012年6月号特別リポート

 国の舵取りで最も気をつけなければいけないのは、国際的な仲間外れに自国を置くことだろう。意図したわけではないのに、満州事変後の日本は国際連盟脱退を余儀なくされ、いつの間にやら米英中蘭のいわゆるABCD包囲網で締め上げられ、真珠湾攻撃へと突っ込んでしまった。

 オバマ政権が、すっかり「台頭してしまった」中国を破局に追い込むことは不可能だし、考えてもいないだろうが、米国はアフガニスタンとイラク介入からアジア重視に大きく方針を転換した(本誌「米国のアジア『回帰』は本気」二〇一一年十二月号)。いま米国のマスメディアが米国のアジア政策を表現する際に二つのキーワードが躍っている。pivot(軸足)とrebalancing(重点の移行)だ。国防費の大幅な削減の中で外交、軍事面では軸足をアジアに移し、豪州、フィリピン、ベトナム、シンガポール、インドが慎重な姿勢を取りつつ完全に米国と歩調を合わせ始めたではないか。

 今秋の中国共産党大会を控えて深刻な権力闘争を水面下で繰り広げているように見受ける中国は周囲にいつの間にかわき起こった楚歌の声を聞いている暇が・・・