「天才」武豊はもう勝てないのか
「有力馬」に乗らせてもらえない
2012年5月号
盛者必衰なのか―。一九八七年のデビュー以降、数々の記録を塗り替えてきた騎手、武豊の凋落が著しい。「天才」の名をほしいままにしてきた武は、二〇一一年、一度もG?レースを獲れなかった。デビュー翌年の八八年に菊花賞を制して以降、初めてのことだ。
GI勝利だけでなく通算成績にも如実に表れる。武が長期海外遠征を行った二〇〇一年は、騎乗回数も少なくリーディングジョッキーの座を一度明け渡した。翌〇二年は、勝率〇・二九一とほぼ三レースに一度近く勝利するという異常な強さを誇った。この年の連対率(二着以内に入る確率)は過去唯一、四割を超えている。
その後も、常に二割を超えていた勝率が〇九年に変化する。勝率は〇・一八二、連対率は〇・三二だった。翌一〇年も数字は悪化し、昨年、勝率〇・一〇一、連対率〇・二一一と、往時の半分以下にまで落ちた。