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社会・文化

皇室は「女性宮家」を望んでいるか?

漏れ伝わる「慎重論」

2012年5月号

 政府は女性皇族が結婚後も皇室にとどまれるようにするための「女性宮家」創設に向けた有識者ヒアリングを二月から開始し、これまでにジャーナリストの田原総一朗氏や明治大学の山内昌之特任教授ら八人から意見を聴いている。  今後も八月ごろまで月に二人から四人にヒアリングを行い、秋ごろには国民からパブリックコメントを募集した上で政府素案をまとめ、来年の通常国会に女性宮家創設を柱とする皇室典範改正法案を提出したい考えだ。  小泉純一郎政権下の二〇〇五年発足の皇室典範に関する有識者会議のときもそうだったが、政府がこうした動きに出ると、いつもまことしやかに「背景には、天皇陛下のご内意があるのだろう」と推測、忖度する向きがある。  だが、宮内庁幹部はこれをあっさり否定し、こう明言する。 「私は女性宮家創設などとんでもないと思うし、陛下もそう思われているはずだ」

「他に選択肢もある」

 実際、政府の動きが天皇陛下のご意思に沿ったものならば、歴代首相や官房長官など中枢の考えは、ある程度意見が統一されているはずだ。だが、小泉政権でも女性・女系天皇容認に・・・