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連載

皇室の風45

出雲の高野槇
岩井克己

2012年5月号

屹立する一本の樹木のようなタワーが東京の新たなシンボルとなった。

 東京スカイツリー。真っ直ぐに天に向かって伸びる高野槇の円錐形の姿を映したデザインだという。それにしても、エッフェル塔や東京タワーなどのようにすそ野や周囲に支えるものもなく孤独に立つ姿は美しいが、見る者を「倒れはしまいか」とやや不安にさせる。

 高野槇といえば、天皇家の次々代唯一の男児悠仁親王の「お印」であり、先ごろ天皇・皇后や皇太子も視察に訪れたのを見ていると、つい皇位継承の将来に連想が及んでしまう。どうしても現在進行中の「女性宮家」論議を思い出してしまうのである。
 筆者は昨年から「内親王家」創設を提案してきたが、今回はそれについて書いてみたい。

 今、野田内閣が提起している皇室典範改正論議は、女性皇族が結婚で皇室を離れて皇族数が減れば皇室の活動量が先細りするため、緊急避難的に内親王らに結婚後も皇室に残ってもらうかどうかを「皇位継承の問題とは切り離して」(藤村修官房長官)検討するというものである。

 ポイントは三つ。{b・・・