「倒産ビジネス」に群がる面々
JAL解雇裁判が「錦の御旗」に
2012年5月号
会社更生手続き中、管財人による整理解雇はどこまで認められるのか。その問題が争われた初の裁判である日本航空(JAL)解雇裁判の判決が、パイロット(乗員)には三月二十九日、客室乗務員(CA)には翌三十日、東京地方裁判所で言い渡された。「解雇は有効」という結論は周知の通りだ。東京地裁は、「JALは一度沈んだ船だから、二度と沈まぬように、積み荷と一緒に人も降ろす(切る)のはやむを得なかった」(要旨)と冷たく言い放った。
解雇の合理性の「最大の根拠」とされた会社更生計画を作ったのは、菅野博之部統括(現・水戸地裁所長)ら東京地裁民事八部で、管財人を選んだのも民事八部。管財人による解雇を「正しい」と判断したのも同地裁(民事十一部と三十六部)とくれば、「まるで自作自演の出来レースだ」(山口宏弥・乗員原告団長)と、クビになった当事者たちが反発するのも無理はない。
ただし、今回の判決は、単に「クビ切り」の是非をめぐる労働裁判としても注目されたが、それとは別の「意義」もあった。いわば、会社更生を新しい形の「倒産ビジネス」に育てようと企む管財人=「倒産村」弁護士と東京地裁民事八部との共謀によ・・・