ドコモとサムスンの「蜜月」に亀裂
やはり「アップル」しかない
2012年5月号
「目標とする二〇一二年三月末日までに当事者間で最終合意に至らなかったことから、当該合弁契約を解消いたしました」
四月二日、携帯電話の復権を狙い、日韓をまたにかけ大々的に打ち出された合弁事業が事業開始を迎えられないままひっそりと清算を発表した。NTTドコモと同社を取り巻く国内電機メーカー等四社(富士通、NEC、パナソニック等)に韓国・サムスン電子を加えた、スマートフォン用半導体合弁事業の準備会社「通信プラットフォーム企画」だ。
通信制御半導体は無線や信号を制御する携帯電話の頭脳で、現在の第三世代携帯電話システムでは、基本特許をもつ米クアルコムが従来型携帯電話市場で約四割、スマートフォンでは八割前後を占めるとされる。このままでは次世代携帯電話でもクアルコムへの依存度が高まり、柔軟な端末開発に支障をきたす恐れがあるとみての日韓連合だった。