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経済

「強欲」貸金業者が群がる「新市場」

信販業への転身で「再起」を図る

2012年5月号

 金貸しはどこまでも貪欲でアコギだ。貸金業法改正で瀕死の経営に喘ぐ貸金業者が、同じく法改正で信販・カードのいわゆるクレジット会社から加盟店契約を解除されて不振に陥った悪徳業者などを取り込んで「再起」しようと、個品割賦ができるクレジット会社への「業態転換」を図る動きが顕在化しつつある。  業態転換が起きるのは、貸金業に比べてクレジット業の参入障壁の低さゆえだ。借金漬けの生活者を増殖させかねない貸金業に比べ、モノやサービスの購入を促すクレジット業は、消費者の購買意欲を高め、製造業やサービス業の売り上げに寄与する「経済成長の有力なファイナンスツール」との大義名分もある。

脛に傷持つ「悪徳業者」と組んで

 貸金業の登録業者は、二〇一二年二月末時点で二千三百七十一社。十年前と比べて一割にも満たない。ところが姿を消した貸金業者のうち、計画倒産した会社が一千社は下らないとの有力情報がある。 「過払い金を払いたくないからね。倒産すれば支払い能力なしと見なされる。会社に資産はないが、長年高金利で商売してきただけに隠した個人資産はある。金貸しは死ぬまで儲・・・