《クローズアップ》鵜浦博夫(NTT次期社長)
傍流」から上り詰めた「能吏」
2012年5月号
久々に大物トップの登場となりそうだ。NTTグループの司令塔であるNTT持ち株会社は、三浦惺社長(六十八歳)の後任に鵜浦博夫副社長(六十三歳)を昇格させる人事を固めた。すでに新聞各紙で報道ずみだが、NTTから五月のゴールデンウィーク明けにも社長交代が正式発表される見通しだ。
鵜浦氏は一九七三年に日本電信電話公社入社。これまでは人事畑を長く歩き、二〇〇二年に持ち株会社取締役に就任後は、経営企画担当としてNTTグループの経営戦略立案に深く携わってきた。だが、早くから「社長候補」と言われていたわけではない。
同社のトップは電電公社時代から「事務系」と「技術系」が交互につく伝統があったが、事務系から輩出される社長は十八万人のNTT労組をコントロールしてきた「労務系」がつくのが通例だった。また、現社長の三浦氏のように、NTT東日本などの事業会社社長を経験することも、持ち株会社社長への必須条件と言われてきた。それだけに、いずれの条件も当てはまらない鵜浦氏は異例の人事とみることもできる。
もともと三浦氏の後継として最有力とされて・・・
鵜浦氏は一九七三年に日本電信電話公社入社。これまでは人事畑を長く歩き、二〇〇二年に持ち株会社取締役に就任後は、経営企画担当としてNTTグループの経営戦略立案に深く携わってきた。だが、早くから「社長候補」と言われていたわけではない。
同社のトップは電電公社時代から「事務系」と「技術系」が交互につく伝統があったが、事務系から輩出される社長は十八万人のNTT労組をコントロールしてきた「労務系」がつくのが通例だった。また、現社長の三浦氏のように、NTT東日本などの事業会社社長を経験することも、持ち株会社社長への必須条件と言われてきた。それだけに、いずれの条件も当てはまらない鵜浦氏は異例の人事とみることもできる。
もともと三浦氏の後継として最有力とされて・・・