米国経済の復調は本物
シェールガス革命の効果が随所に
2012年5月号
「まあ、楽観論はまだ三人に一人。多数派は、一見回復のように見えるが基本は弱いと見ている」
と語るのは、米国経済の先行きをめぐり、最近訪米して在米日本人エコノミストらと意見を交わしてきた経済ジャーナリストである。弱いと見る論拠の一つは、たとえば「季節変動説」。春には株価が急上昇して強気になるが、夏ごろから雲行きはおかしくなり、秋にはドカンと落ち込む。ここ二~三年はこの繰り返しで、今年も似たような動きだ。また、三月の雇用統計で非農業部門雇用者数が十二万人増と、市場予想の二十万人増を大きく下回ったとか、住宅価格がまだ回復していないなど……。
確かに、日本の大方の印象と合致している。「しかし、米国人のヘッジファンドの運用担当者は完全に逆なんだよ。面白いねえ」。