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政治

民主党が歪める「原子力規制庁」

政治からの独立性は期待できず

2012年5月号

 まるで異端者を吊るし上げるかのような異様な光景だった。  四月十八日、参院講堂で開かれた第九回東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)での経済産業省原子力安全・保安院長の深野弘行に対する参考人聴取。黒川清委員長ら国会事故調の委員は、福井県の関西電力大飯原発再稼働を決定した四大臣会合に保安院がどう関与し、どれだけ政治的判断から独立した科学的知見を反映できたかを追及した際、深野の歯切れの悪い反応と説明に、苛立ちを露わにした。  委員は、原発の安全についての「政治から独立」した判断を求めたが、行政組織上は原発再稼働を急ぐ枝野幸男経産大臣の掌の上にある保安院のトップに、枝野らの決定に対する異議を期待しても酷というものだろう。  この日は、四月一日の発足予定が大幅に遅れている原子力規制庁の組織形態に対する国会事故調の強い不満も、改めて示された。

「政治主導万能主義」の過信

 政府の「原子力組織改革法案及び原子力安全調査委員会設置法案」では、規制庁を環境省の外局とし、この監視機関として国家行政組織法の八条に基づく、いわゆる「八・・・