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政治

小沢無罪で始まった「判決後政局」

「解散か退陣」瀬戸際の攻防

2012年5月号

「小沢判決待ち」という何とも奇妙な政治的空白状態にようやく一つの区切りがついた。しかし、一審判決はあくまでも通過点に過ぎず、「嵐を呼ぶ号砲」になる可能性が高い。 「被告人は無罪」。四月二十六日午前十時すぎ。東京地方裁判所裁判長大善文男は、民主党元代表小沢一郎に対してこう言い渡した。法廷内が静まり返る中、小沢は裁判長に小さく頭を下げた。民主党内で最大の勢力を維持しながらいわば「座敷牢」に閉じ込められていた小沢が復権に向けて動き出すのは間違いない。  小沢は無罪判決を大前提に、三段階による復権のシナリオを描いてきた。「党員資格停止処分の解除」「自らの出馬を含めた民主党代表選勝利」「主導権を回復した上での衆議院解散総選挙」―。これが小沢の大まかなシナリオである。そこで注目しなければならないのが民主党幹事長輿石東だ。 「(小沢が)無罪になれば、党員資格停止は当然、解除される」  二月十七日の小沢公判で大善は、多くの検事調書を証拠採用せずに却下した。これをきっかけに民主党内に「小沢無罪論」が広がったが、それに呼応するように資格停止解除を公言したのが輿石だった。  だが、・・・