色あせる「石原慎太郎」
「尖閣購入」は湿った打ち上げ花火
2012年5月号
「また始まったか……」
自民党の中堅衆議院議員は、うんざり顔で漏らした。
四月十六日(日本時間十七日未明)、ワシントンを訪れていた東京都知事、石原慎太郎は尖閣諸島を都が所有者から購入する計画を表明した。その後、十九日に帰国した石原は、記者団に新党構想が白紙に戻ったとコメントしている。
どこからともなく現れ、気がつくと消えている。石原新党構想は、「永田町の幽霊」だ。遡れば知事一期目の二〇〇一年から始まっており、既に十年以上も成仏しない「地縛霊」である。