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政治

色あせる「石原慎太郎」

「尖閣購入」は湿った打ち上げ花火

2012年5月号

「また始まったか……」  自民党の中堅衆議院議員は、うんざり顔で漏らした。  四月十六日(日本時間十七日未明)、ワシントンを訪れていた東京都知事、石原慎太郎は尖閣諸島を都が所有者から購入する計画を表明した。その後、十九日に帰国した石原は、記者団に新党構想が白紙に戻ったとコメントしている。  どこからともなく現れ、気がつくと消えている。石原新党構想は、「永田町の幽霊」だ。遡れば知事一期目の二〇〇一年から始まっており、既に十年以上も成仏しない「地縛霊」である。

本当に「愛国者」なのか

 石原は構想が浮かんでは消える合間に、耳目を集める政策を断続的に打ち上げてきた。冒頭の自民党議員はこう呆れる。 「どれも自らの賞味期限を延長するための防腐剤のようなもの」  一九九九年に知事選に勝利した際の公約の二本柱は、ディーゼル車規制と外形標準課税だった。その後、二期目には新銀行東京や、首都大学東京、三期目はオリンピック招致を掲げて当選した。小さいものを挙げると、横田基地返還やカジノ構想、三宅島オートバイレースなどきりがない。こうした政・・・